「そら」と「べあ」はホッキョクグマの兄弟。
まっしろいふわふわの毛をして、首におそろいのスモーキーグリーンのマフラーをしたふたりは、旅をしながらお母さんをさがしています。
氷の大地が割れて、お母さんグマとはなればなれになってしまったのです。
弟のそらは、お兄ちゃんのべあに甘えっぱなしですが、ある日お兄ちゃんが魚とりに夢中になっているときに、ひとりで探検に出かけてしまいます。
はじめて見る黒いもじゃもじゃした毛のジャコウウシや、氷の上のすべりかたを教えてくれるアザラシ、北へ飛び立っていこうとするキョクアジサシたち。
アザラシやキョクアジサシは氷の変化を感じ「ここはきけんだ!」「もういかなきゃ」と急いで去っていきます。
ぽつんと、取り残されたそら。
そのとき、「メリメリメリ」「メキメキ」大きな音がして、目の前の氷にひびが!
そらは、お兄ちゃんのべあのところに、戻れるのでしょうか?
子どもたちへの環境教育活動を行うNPO法人「そらべあ基金」のシンボルキャラクター、「そら」と「べあ」が主人公。
この絵本は、地球温暖化で北極の氷がとけだしていること、氷がとければ、生き物の暮らしが変わってしまうことを、そらとべあの物語にかたちをかえて教えてくれます。
ホッキョクグマのそらとべあは、はなればなれになったお母さんに、いつか会えるのでしょうか。
ふたりの長い旅は、はじまったばかり・・・。
カトウシンジさんが描くかわいい絵柄とストーリーは、とても読みやすく、地球環境のことを子どもと考える、いいきっかけになりそうな絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む