
旅から帰ってきた「どじょうおじさん」。戻ってきたふるさとの土は荒れ果て、かつての仲間たちが見当たりません。「ここは むかし、田んぼが あって 生きもんが いっぱい おったんや。めだか、とんぼ、かえる、ふな、げんごろう、そして どじょう。」嘆く彼は、「ここを もういちど なかまが くらせる 田んぼに するんや!」と、ひとり 鍬をふりあげます。 たがやせ たがやせ いのちあるもの たがやせ たがやせ ちからあわせて そーれ そーれ 歌いながら土を耕すどじょうおじさんを、近所の男の子が手伝って、だんだんと田んぼはできあがっていきます。けれども途中で、稲を食い荒らす虫たちがやってきたり、田んぼの養分を吸い取ってしまう植物が生えてきたり・・・。 お米は無事収穫できるでしょうか?そして、どじょうおじさんの仲間たちは田んぼに戻ってきてくれるでしょうか?
あたたかく軽やかなタッチで、田んぼと米作りを描くのは、テレビにイベントに多彩に活躍されるチャンキー松本さん。ほっかむりにつながり眉毛のとってもキュートなどじょうおじさんは、一目見たら忘れられないインパクト!どじょうおじさんが、一生懸命、でも楽しそうに田んぼ仕事をする姿は、何だかぐっときてしまいます。苗のために田んぼの泥をかきまわす姿なんて実に幸せそう。見ていて元気をもらえます。 また、お話を通して、稲がどのように育てられるのか、どんな植物や虫が田んぼと共生できるのか、自然共生型の田んぼや米作りについて学ぶことができます。「田んぼ」という自然に目を向けることで、食や環境を考えるきっかけにもなりますね。これぞ学べる米作エンターテイメント。ぜひ、家庭で学校で、楽しんでみてください。本のカバー袖には、「たがやせ!どじょうおじさん」の歌詞(ギターコード譜付き)が載っています。みんなで歌ってみてくださいね。
「きれいな土と水で お米はできてるんや。生きもんも おんなじや。きれいな土と水で 元気になるんや!」 田んぼを眺めるどじょうおじさんの言葉です。このシンプルな言葉が肌でわかる環境が増えていきますように。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)


旅から帰ってきたどじょうおじさん。ふるさとの田んぼで仲間たちに会うのが楽しみです。ところが、田んぼは荒れ地になっていて、だれのすがたも見えません。どじょうおじさんは、近所の男の子の力を借りて田んぼ作りをはじめます……。土作りから田植え、水の管理、そして稲刈りまで。どじょうおじさんと一緒に、田んぼ作りとお米ができるまでを体験する絵本。田んぼをたがやすときと、おまつりのときは歌の楽しさもあります。

荒れた田んぼを再生するために奮闘する どじょうおじさん。
田んぼ作りには、自然の力が大きく影響しているんだって思いました。
整備した田んぼに集まる様々な生物。
それらは、田んぼにとって良いものだけではない。
かといって、土と水だけでは、これまた良い田んぼとは言えない…。
田んぼの恩恵を受けながら、田んぼに恩恵を与える生きものたち。
共存するってこういうことですね。
お米を収穫できた満足感と、つぎの田んぼの再生。
こんな風に、日本中に田んぼが再生するといいなぁ。
田んぼの再生、私もやってみたくなりました! (しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子9歳)
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