テッサは16歳の女の子。でも、テッサはもう二度と学校に行かない。大学に進学することも、就職することも、旅をすることも、車を運転することも、家を出て自立することもない。なぜならテッサは白血病の末期で、余命を宣告されてしまったから。 本書は、16歳の少女が、「死ぬ前に生きる」ために書き出した「してみたいことリスト」を、親友の助けをかりてひとつずつ実行していくなかで、生のすばらしさに気づいていくせつなく愛しい物語。ときに絶望を感じながらも、テッサがとらえる生の輝きの描写が美しく、またリアルな危うさが読者をひきつける。 家族の存在、隣家の男の子とのはじまったばかりの恋、親友ゾーイに生まれてくる赤ちゃん、幼い時の思い出をたどること、規則を破って感じる生きている実感、幼い弟への思い、自分のお葬式へのリクエスト…。 少女のみずみずしい感性が胸をうつ、英国で文学新人賞を受賞したベストセラーYA小説の邦訳版。
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