
スピード自慢のタカが、湖の畔からとんがりやまのてっぺんめざして飛んでいきます。野や町を下に見て、雲の中をくぐり、飛行機と競走し、ついにとんがりやまに到着。そこでこんどはページを逆にめくっていくと、仲間とはぐれたガンの子が、とんがりやまから湖にもどる話が展開します。シルエットで描かれた鳥の姿が、右を頭とすればタカに、左を頭にすればガンに見える仕掛けの絵本。(こどものとも536号)

こどものとも536号です。
『ぷしゅ〜』でびっくりさせられた風木一人さんの作品です。
この本、前からも後ろからも読めるのです。
どちらかがメインの話というのではなく、一冊の本の中に、前から読んだ場合と後ろから読んだ場合と二つの違うお話が入っているのです。
前から読んだ場合は、気の強いタカのスピード自慢の短い旅のお話で、後ろから読んだ場合は、迷子になったガンの子が頑張って自力で家に戻る行程のお話になっています。
そして驚いたことに、タカとガンは一羽の鳥の中で表現されているのです。不思議な絵みたいに、鳥の右側を頭だと思って見るとタカに、左側を頭だと思って見るとガンになるのです。
タカの話として読んだり、ガンの話として読んだり、不思議な絵を楽しんだりといろいろな楽しみ方が出来る絵本です。 (金のりんごさん 40代・ママ 女の子12歳、男の子8歳、男の子6歳)
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