「なんてぜいたくな絵本だろう!」
そう感じさてくれる、読み応えバツグンの一冊。
バナナ色の帽子に、まっかなオーバーオールがおしゃれな、おさるの車掌さん。
客車をまわり、どうぶつたちからキップ代わりのバナナを集めます。
とある客車には、ツノの生えたどうぶつたちばかり。
よくよく見ると、いちばんうしろにちいさなお客さん。
ちいさなツノをふりかざし、おおきなバナナをよっこいしょ。
食堂車だってあるんです。
バナナ料理のフルコース。
あざやかな黄色をほおばる、まあるいふとっちょなお客さん。
1ページ目からかわいさバクハツ!
どことなくシュールな印象の、独特な画風がなんともクセになる愛らしさです。
線路をゆくなかですれちがう、列車にのっていないどうぶつたちにも注目してみてください。
どのページをとってもカラフル、すみずみまでキュートな一冊。
さて、終点に到着したおさるの列車は、車庫でひとやすみ。
いれちがいに出てゆくのは、まっかな色の列車。
列車を走らせているのは、どうやらおさるたちだけではないようです。
いったいだれが走らせているのでしょう?
かわいい車掌の正体は、読んでからのお楽しみ・・・
(堀井拓馬 小説家)
続きを読む