表紙に、赤いまあるい矢印。「ほんをまわしてよんでみよう!」と書いてあり、男の子がでんぐりがえしをしているみたいです。
この本は……くるくる回して読むとあら不思議!
絵本の中が動くような感じで楽しめちゃう絵本なんです。
次から次へと出てくるのは、回るもの。
でんぐりがえしのくまさん、お寿司、サッカーボールにおじいさん……。
ん? おじいさんが回るの?
そう思ったら、ぜひ実際に回してみてください!
やさしい顔のおじいさんが、逆さにするとおこりんぼうのおじいさんになっちゃうんですよ。
バレリーナも回るし、自分のしっぽを追いかけておおかみも回る。洗濯機も回る。
がたんがたん、ぐるぐる、じゃぶじゃぶ。音のリズムも楽しいです。
洗濯機の中って、ついのぞき込みたくなりますよね。
かざぐるまを見たら「ふーっ」と息をふきかけたくなります。
くるくる絵本を回すだけで、しかけが仕込まれているわけではないのに、まるでしかけ絵本みたい。
くるくる回すとまるで逆の絵に見えたりするからおどろきです。
この身体の感覚に逆らわない、シンプルでおもしろい構成、さすが新井洋行さんの絵本ですね。
子どもたちがかざぐるまに「ふーっ」と息をふきかけたら、盛大に絵本を回してあげてくださいね。
幼いお子さんにも安心のボードブック。
お子さんとコミュニケーションしながら、思う存分「くるくる くるくる」してみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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