けしゴムをぬすんでしまった。まっかなけしゴムを見ていたら、だんだんこわくなってきた。気持ちが荒れて、妹とプールに行く約束をやぶったり、セミの羽をちぎってしまったり…。ぼくはどんどんわるい人間になってしまうんだろうか…。
<編集部からのおすすめ> ほしかったけしゴムでもなんでもないのに、けしゴムをぬすんでしまう。罪悪感で普段とはちがう行動をとってしまい、それがまた心の負担になっていく…。周囲の人のくったくのない様子と対照的に、重いものを背負ったこどもの心の動きを鮮やかに描き出しています。作者の温かな目が感じられる絵本です。
扱いにくかろう「万引き」をテーマによくぞ描いてくださったと感謝です。小さい頃、「万引き」とは知らずに、自分の物と他人の物という区別がつかない程度の頃の叱り方、対応の仕方は親としても周りの大人達もただ何となく皆同じような感じだろうと思います。が、少し大きくなった小学生くらいから、事の善悪も把握した上での「万引き」ともなると親としては、なんで!と攻めるか、どうして!?と情けなくなるか。親の力量が量られるような気がします。この絵本では、大きな母親の愛情が溢れる対応の仕方が当たり前のようだけれど、中々出来ない良い例として心に深く残ります。子供達にはもちろん「万引き」の事の重大さ、重く重く心に刻まれて欲しい物です。最近1年生の息子は、私が見知らぬ動物の小さなフィギアを筆箱に見つけたので、何日かどうしたのと聞いても答えてはくれませんでした。でもこの絵本を読んでからか否かは分かりませんが、落とし物箱からもらってきてしまった事を話し、元の落とし物箱に戻したことを聞きました。良し!と頭を撫で回しました。あっ肝心要のゆっくりしゃがんで”ぎゅう”とするのを忘れてしまいました。まだまだ未熟な母であります。 (1姫2太郎ママさん 40代・ママ 女の子16歳、男の子14歳、男の子 6歳)
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