「パパとママってほんとうにうるさいよね。
ガミガミいうよりほかにやることないのかなっておもわない?」
冒頭のセリフに大人はドキッ。子どもはきっと内心「そうだよね」って思います。
はをみがきなさい!
ぐずぐずしないの!
ありがとうは?
ください、でしょ。
さっさとかたづけて!
おかしはおしまい!
まさに「(うちでも)あるある」と言いたくなるセリフばかりです。
「だけどね、パパとママだって、うまくつかえば……なかなかべんりなんだよ。」
えっ、うまくつかうって……べんりって……どういうこと?
本書はイギリスの作家コンビが描いた大判絵本。
どのページも画面からはみ出してきそうに元気でおおらかな親子の姿が描かれます。
おもちゃの電車のずれた線路を四つん這いになってなおすパパ。ひざこぞうに絆創膏をはってあげているママ。
ママのスカートはどろんこの手をふくタオルにちょうどいい。パパはおうまさんにもなります。
二人ともケチャップやホースの水がかかったぐらいじゃさわがない……!?
子育ては毎日がとってもスリリング。一緒にいるだけで、事件が起こって、たいへんで、でも楽しい。
そうそう、子どもって毎日無我夢中で生きてるんですもの。これくらいのぐちゃぐちゃは大目に見なくちゃ……ね。
パパとママはちょっぴりわが身をふりかえり「よし、きょうも子育てがんばろう」と思える本です。
「だっこしていいこいいこ」「だいじなことをわすれない」「まいばん、おはなしをよんでくれる」こんなパパとママになりたいものです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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