ぼくの一人称で語られる絵本です。
谷川俊太郎さんの簡潔な文と、三輪滋さんの個性的な絵がとてもよく合っていて、独特な世界を作り出しています。
人と違う自分、人と混ざらなくても幸せなんだと思う自分、自分は自分、たった一人なんだという認識を持っている自分。
淡々と語られるのですが、そこには、強烈なメッセージがあります。
一番最後のページには、絵がなくて、一文だけ。
ぼくを ほっといて くれ!
この一言が、どーんと胸に突き刺さりました。
それまでは、控えめに主張していたのに、最後の最後でこの強烈な拒否。
安易に語られる「皆仲良くしましょう」とか「友だちいっぱい作ろうね」という言葉に、反旗を翻しているような、一本筋が通った本でした。
日本語の文の下に英語での文も書かれているのですが、それがまた乾いた感じを出していて、良かったです。 (金のりんごさん 40代・ママ 女の子12歳、男の子9歳、男の子6歳)
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