大昔から人々は、太陽の偉大さを、恐れ尊敬していました。「ふたつの たいよう」は、もし太陽が2つあったら…、と考えて作られたお話です。人間が協力して太陽を射るという遠大な、そして雄大なお話が、子どもたちの心をひきつけずにはおかないでしょう。
むかし太陽は2つありました。暑くて昼間は働くことができず人間たちは困っていました。そこで人間たちは太陽を1つ射落とそうとして旅に出ます…。
学研の「World Picture Book」のシリーズは比較的海外の作品が多いので最初はそうかと思っていたら、日本の作家の手になる作品でした。もう30年以上前の本ですが、地球温暖化が叫ばれる今日、よりいっそうリアルな印象で迫ってきます。
本の中では人間たちは長い長い旅の末、太陽を1つ射落とすことに成功します。でも今の地球の将来はどうなってしまうのでしょう……。
…なんてことを考えられたら、作者は迷惑かもしれませんね。何と言ってもすばらしいのは絵!配色もきれいで、クライマックスで「はいえすとざん」が現れるところからは2ページを縦に使っていきます。それでもはみ出るほどの壮大な神話的世界。お話そのものは「ふーん」という感じでしたが、スケールの大きさで☆4つとしました。 (わらはべさん 40代・ママ 女の子6歳)
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