ひばりがおおかみにもぐら退治を頼むと、おおかみは3つの条件を出しました。その条件とは……。ポーランドに伝わる愉快な民話を明るい色調で描いた絵本です。
内田莉莎子さんの訳本のファンなので、ご本人が再話されているこちらも読んでみました。
レビューを見るとあまり評価が良くないですね。私はとても楽しみました。息子は全部理解しているとは言えませんが、何度か読むうちに、ひばりがたまごを抱いて孵すことなどを回を追うごとに分かるようになってきています。
ひばりの賢さが描かれつつ、そこには人間の愚かさがそのまま表現されています。オオカミも図々しいし、ひばりもそれだけ賢いならオオカミに対して、あるいはそもそももぐらに対して、他に何か考えつかないのか不思議ですが、オオカミの言いなりで、ちょっとイラッとしてしまいます。でも、ひばりもオオカミもどちらも「こういう人いる!」と思える。
くった、のんだ、わらったの3回の繰り返しの中で、結婚式を楽しむ素朴な村人、ビールを運ぶ町のぎょしゃ、そして、お屋敷に住むとのさま、色々な社会階層の人の暮らしが見え、また森と対比されているようです。
ハッとさせられるところの多い絵本だと思います。買って手許に置こうと思いました。 (さみはさみさん 30代・ママ 男の子2歳)
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