哀しくも美しい「うらしま」の物語を,一流の女流作家の独創的な文と大和絵風の絵によって,気品のある絵本にしています。
「うらしまたろう」ならば知っていると思っていたのですが、読んでみるととても奥の深さを感じさせられます。
これだけ数多く出されているお話もあまりないのではないのでしょうか。
お話にもバリエーションがあり、描き方にも作者の思いがあり、ファンタジーであったり、ラブストーリーであったり、メルヘンであったり、ヤングアダルト系だったり…。
艶っぽい乙姫様がいたリ、可愛い乙姫様がいたり…。
この絵本は平岩弓枝さんの文、新井勝利さんの絵は、格調のある文章と古風な絵で他の絵本と一線を画しています。
現代っ子にとっては少しとっつきにくいかもしれません。
他の『うらしまたろう』を読む人に質問。
うらしまたろうの家族構成は?
うらしまたろうは亀をどのように助けたでしょう?
うらしまたろうの助けた亀と、うらしまたろうを竜宮城に案内した亀の関係は?
竜宮城ではどのような生活をしたでしょうか?
竜宮城から故郷に戻った時、社会はどうなっていたでしょうか?
知ったつもりでいたら、読む本ごとになんだか違うのです。
「うらしまたろう」の歌とも違います。
うらしまたろうが古代から語り継がれて来ていたこと、各地の昔話として伝承されるうちに多様化していること、それだけ歴史の古いお話なのですね。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
|