1999年にターシャが全面的に絵を描き直した新版。静かな雪のイブのようすをオールカラーで情感豊かに描いた美しい絵本です。
去年のクリスマス、娘に妹が『コーギヒルのいちばん楽しい日』(Corgiville Christmas)をプレゼントしてくれました。
チューダーの絵は大好きなので、今年はまだ見ていなかったこの本はどうかな、と見てみたら。
なんとも美しい!!!
一年中で、クリスマスの夜にだけ感じる特別な神聖な静寂が、見事に表現された世界。
子ども達が寝静まった後に、そっとページを開いたのですが、心はもうクリスマス。
子どもの頃、クリスマスの前の晩に感じていたことが、具現化されて絵本になったようで、一気にひき込まれました。
どんな言葉で語るより、美しい絵は、やはり多くを語りますね。
直接心に入ってきます。
サンタが来るのを楽しみに、子ども達が眠る暖かな暖炉の部屋。
月明かりの中降りてくる8頭のトナカイたち。
トナカイが空から滑空して来る姿の実物を見たことはないけれど、きっと見えるときはこんな風に違いないと思わされる姿。
見たことないオーロラを見たらこんなかな、という絵があるように、トナカイを本当に見ても不思議ではない現実的な幻想がここにありました。
そして煙突から降りたサンタが暖炉から現れる様子。
こんなにも、実際には目にしたことのない光景なのに、本当に見た気にさせてくれる絵は、今までありませんでした。
人間の持つ想像力を、見事に絵に描いてくれるターシャ・チューダーに、感服です。
子どもの頃から毎年クリスマスイブにこれを見たかった、というくらいお勧めの一冊です。
今年からは、遅ればせながら、毎年この絵本でクリスマスイブを過ごそうという気になりました。
(ポピンズさん 30代・ママ 女の子7歳、男の子3歳)
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