町の保育園からの帰り道、ふうこは林の中でアケビの実を見つけました。取ろうとするとアケビの実は、木枯らし小僧のひゅうすけが風のお祭りにくるまでは取らないでといいます。キノコもヤマブドウも、風のお祭りまでは取らないでといいましたが、ふうこがヤマブドウを一房だけ食べてしまうと、急にあたりに白い霧がたちこめて……。季節の変化をめぐるファンタジー絵本です。
冬の到来を予測させる様々な風が吹いて、野山の景色も変わっていきます。
そんな微妙な季節の出来事がファンタジックに描かれています。
保育園から一人で帰ることになってしまったふうこちゃんは、野辺の中で、秋を思わせる植物を見つけますが、それぞれが風のお祭りがあるからと断ります。
そして、冬ごもりをするために食べ物を求めている熊の登場。
ちょっとスリリングな展開が幻想的に描かれていて、味わい深い詩情を感じました。
繊細な物語なので、小さい子や、読み聞かせにはそぐわないかも知れませんが、梶山さんの絵がとても印象的でした。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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