なっちゃんが朝目を覚ましてカーテンを開けると、雪が積もっていました。雪うさぎを作ったなっちゃんは、雪の下から緑の草を掘り出すと、雪うさぎに食べさせようとしました。すると、そこに本物のうさぎがやってきて……。 雪の日に自分の世界に浸って遊ぶ女の子の姿をみずみずしく描きます。『かさかしてあげる』(幼児絵本シリーズ)などで人気の、なっちゃんの絵本の4作目です。
「もりのひなまつり」で、初めてこいでやすこさんの絵に出会い、以来娘も私も、こいでさんの描く優しい色使いの絵にすっかり魅了されています。この絵本でも、物語の中心に関係なく、なっちゃんの部屋のかわいらしい壁掛けやおいしそうな和食の朝ごはん、それに裏表紙の雪だるまの表情まで、いろいろと楽しみながら、話が弾みました。
本物のうさぎがやってきて、さくさくと草を食べている様子を、マフラーで口を覆って、じっと見ているなっちゃん。その純真無垢で好奇心いっぱいの瞳は、なっちゃんを見つめる娘の眼差しそのもの。本当に2人ともうれしそうです。
なっちゃんの息づかいまで聞こえてきそうな生き生きとした描写ですが、娘は、雪の寒さの中で吐く息の白さを、この本を通して知りました。それが新鮮な発見だったようで、各ページごとに、なっちゃんや、けんたくんや、犬のジョンの白い息を指差しながら、雪国の寒さを疑似体験しているようです。 (ガーリャさん 30代・ママ 女の子3歳)
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