昔、昔、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。 おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から桃がつんぶく かんぶく つうぶく かんぶくと流れてきます。おばあさんが家に持って帰った桃は、じゃくっと割れて、中からかわいい男の子が生まれました。その名も桃から生まれた桃太郎。桃太郎はすくすくと育ち、力強い少年に成長しました。
おなじみの日本昔話が、日本画を想起させる水彩で味わい深く描かれました。加えてこの作品の特徴は、独特の擬態語と言葉のリズムです。桃の流れてくる「つんぶく、かんぶく」、桃の割れる「じゃくっ」、赤ちゃん桃太郎の泣く声が「ほおげあ、ほおげあ」。「鬼が島の鬼が来て、あっちゃ村で米とった。こっちゃ村で塩とった。姫をさろうて鬼が島」など、すでに知られているお話が、聴覚を刺激する音と民話調の抑揚の生きた日本語で語られ生き生きとよみがえります。このリズムは大人にとっても魅力的。昔話のよさがぎゅっとつまった一冊です。 ――(ブラウンあすか)
おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。桃をもちかえって切ろうとしたら、なんと桃からかわいい男の子が生まれました。「桃太郎」と名付けられた男の子は、おばあさんとおじいさんが用意してくれたおかゆや魚を食べて、どんどん大きくなり、立派に成長します。そんなある日、桃太郎は鬼が島の鬼が悪事をはたらいていると聞き、鬼退治にでかけることにします。力強い絵とともに、真の昔話の面白さが味わえる1冊です。
改めて、「ももたろう」を読みたくなって借りてきました。
というのも、作者の松井直さんの講演を聞く機会があり、
松井さんなりの「ももたろう」のあり方、「鬼」の存在についてのお話を聞いたので、子どものころ読んだときには気付かなったアレやコレやをもう一度見てきたいな〜と、思って。
「ももたろうはお姫様を鬼のところから救い出しに行ったのであって、鬼たちから宝物はもらわないんです。私の書いたももたろうは、鬼たちから“宝物をさしあげます”といわれても、断ってるでしょう?」(松井さん:談)
そのページを見つけて、お〜ぉ、本当だぁ。たいていのお話では「宝物とお姫様をもらってくる」のに、なるほど〜。
それから次のページ、鬼たちは鬼が島からももたろうたちの船に乗って、送り届けているんです。
よく見ると、舵取りをしているのが鬼たちじゃありませんか〜。
“鬼”って、もともと百済から来た人たちのことを指していた。という説もあります。(もしかしたら、もっとロシアの方の土地の人だったかもしれませんよね?
だから、普通の日本人と違って、身体も大きく体の色も違って見えたのかもしれません。たいていの鬼たちの描写は髪の毛が黄色でくるくるしてるし…。
《ももたろう》一つとっても、深く掘り下げて読んでみるといろいろお話の背景などが見えてきて面白いな〜と、思いました。
松井さんのお話には出てきませんでしたが、この絵本で鬼の大将とももたろうが戦っているとき、
キジがさり気なくお姫様の楯になっているところにも気づきました!(キジ、カッコいいぞ〜)
幼児から大人まで、年齢に関係なく楽しめる日本の昔話です。ぜひ読んだことがある人、まだ読んでない人も、ぜひ一度手にしてみてください。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子11歳)
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