クリスマス・イブの夜、おじいさんサンタとトナカイたちは仕事を終え、すっかりくたびれて家に帰ってきました。なにしろ世界中の子供たちに贈り物を届けてきたのですから、へとへとなのは無理もありません。やっと休むことができると思ったら袋の中にまだ一つ、贈り物が残っているではありませんか。トナカイたちは体が弱りもう働くことができそうにありません。おじいさんサンタは一人上着を着て、男の子の住むロリー・ポリー山まで贈り物を届けに出かけます。はたしてクリスマスの朝までに、間に合うのでしょうか……。
人気絵本作家バーニンガムのクリスマス絵本。たとえ一人でも大切な贈り物を届けに出かけるおじいさんサンタのまごころが、この絵本の読者への贈り物であるともいえるでしょう。ロリー・ポリー山への道中、飛行機、ジープ、オートバイ、スキーに乗せてもらい、いろんな人に助けてもらいながら進む一生懸命なおじいさんの姿から、優しさ、誠意、温もりが伝わってきます。ロリー・ポリー山、ハービー・スラムヘンバーガー(男の子の名前)という、ちょっと変わった名称が何度も登場するリズムは、楽しい脚色になっています。 大判絵本の長所を生かしたイラストの構成は絶品。空間を巧みに使い、平原や夜空の果てしなさ、空気の冷たさ、おじいさんの心の温かさを表現する手法はバーニンガムならではの技です。ペンと水彩で描かれた奥行きのある空間が、この作品のスケールの大きさを物語っています。 あれだけ苦労してロリー・ポリー山にたどり着いたのに、帰りときたらいたって軽やかにおじいさんの姿が描かれ、そのギャップがまた愉快。ハービーの贈り物は何だったのか、一緒にお話するのも楽しいですね。 ――(ブラウンあすか)
クリスマス・イブの夜。おじいさんサンタとトナカイたちは、すっかりくたびれて、うちに帰ってきました。なにしろ、世界中の子どもたちに、クリスマスのおくりものをとどけてきたのです。ところが、袋の中に、まだひとつ、おくりものが残っているではありませんか! さあ、はたして、朝までに届けられるでしょうか?
私が一番好きなクリスマス絵本です。
クリスマス・イブの夜、おじいさんサンタとトナカイたちは、プレゼントを配りおえてうちに帰ってきました。やっと休むことができると思ったら、なんと、ふくろの中にまだひとつ、贈りものが残っていたのです。遠く離れた山のてっぺんに住む少年ハービー・スラムヘンバーガーにたったひとつのプレゼントを届けるため、おじいさんサンタは、パジャマの上に赤いコートを着て、ひとりで出かけていきます。
途中、親切な人々に助けられ、飛行機に乗ったり、ジープに乗ったり、バイクに乗って、スキーに乗りながら、そして最後には自力で山を登っていきます。
このやさしいおじいさんサンタが、いつでも子どもの味方である作者ジョン・バーニンガムと重なって、とても幸せな気分になります。
クリスマスの贈り物が、たった一つの特別のものだと感じられる、やさしくて心温まる絵本。少し大きめの画面に描かれるジョン・バーニンガムの味のある挿絵がとても素敵です。 (クッチーナママさん 30代・ママ 女の子8歳、女の子5歳、男の子3歳)
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