秋、強い風が吹くようになると、花のタネたちは風に乗って、遠くへ運ばれていきます。 飛び出したたくさんのタネのなかに、とくべつちいさいタネがひとつ。 ちいさいタネはなかまと一緒に飛んでいきます。 タネたちは旅の途中で、太陽に焼かれ、氷の山に落ち、海に落ち、砂漠に落ち・・・力尽きていきます。 風がやんで地面に落ちても、鳥に食べられ、ねずみに食べられ、人に踏まれ・・・。 ちいさいタネは困難を乗り越えて、元気いっぱいに大きくなり、見事な花を咲かせます。
最初のページに描かれた花のタネは10個。この10個の仲間たちが、苦労しながらも力をあわせて旅をする、というのが子ども向けのお話の定石でしょう。 しかし自然界はそんなに甘くはありません。様々な困難を乗り越えて、子孫を残すことができるのは、ほんの一握りの幸運な個体だけなのです。
読む人や時期によって様々な捉え方ができる、とても奥の深い絵本です。
作者は世界的ベストセラー絵本「はらぺこあおむし」(偕成社)のエリック・カール。 独特のコラージュ(貼り絵)に味わいがあります。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
風にのって旅に出るタネ。うけつがれる命のすばらしさを、小さなタネのぼうけんにたくして、あざやかなコラージュで描きます。
【金柿パパ】 タネたちは風に乗って飛んでいく。でも途中で海に落ちたり、山を越えられなかったり、鳥に食べられたり、子どもに踏まれたりして、ほとんどのタネは力尽きてしまう。ちいさいタネは幾多の危機を回避して成長し、大きい花になり、またタネをつける、というお話。 この話は、多産多死のモデルだ。たくさんの中で生き残るのはほんの少し。でもその残ったものがまたたくさんを産み・・・という構図だ。自然界ではごく普通のことなんだけれども、そのことをテーマにした絵本は少ないのではないだろうか。そういった意味で、この絵本は子ども達にとって新鮮なのだと思う。いい悪いではなく、そういうモデルがあるという感覚を持って欲しいと僕は思う。これも父性なんだろうな。
エリック=カールさんは、命を大切にされているのがこの絵本でよく分かりました!
訳者のゆあさ ふみえさんの言葉にもありますが うけつがれる いのちのすばらしさ 命は 巡っているのだという 輪廻の世界のようにも思えました(仏陀の世界観を思いました)
ちいさな タネが かぜにふかれて とばされています 仲間のタネと一緒に・・・・
なかまのタネは 燃えてしまったり 氷の山に落ちたり 海に落ちたり
さばく 鳥やねずみに食べられたり ふみつぶされたり
いろんな形でなくなってしまうのです 一つとして同じものはないのです
それは 万物のもの すべてに当てはまるものです
人間はもちろん 一人一人の人生は違います
作者は そんな 深い思いを このような カラフルナ絵で 美しく表現して すごいな〜!
一番小さな タネが 生き残り おおきな 花をさかせました!
「こんなに大きな花は、 だれも 見たことがありません
まるで大男の庭に さく 花のようです。」
あまりの 誇張におかしさがこみ上げます たまたま 小さなタネが花を咲かせたのですが・・・・
そして また タネが風に飛ばされて 命がつながっていく不思議さに感動します!
いのちは 受け継がれていくのです!
深く心に残る絵本でした!
子供たちも この命のつながりをかんじてくれたらと思いつつ・・・・ (にぎりすしさん 50代・その他の方 )
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