画面いっぱいに描かれているのは、くまさん。
そのくまさんに問いかけます。
「くまさん くまさん、
ちゃいろい くまさん、
なに みてるの?」
なんて答えるのかな。
くまさんの視線のその先にいるのは……赤いとり。
つばさを大きく広げたそのとりに、やっぱり聞いてみます。
「なに みてるの?」
とりさんの視線のその先にいるのは……黄色いあひる。
あひるさんが見ているのは青いうま、うまさんが見ているのは緑色のかえる、かえるさんが見ているのは紫色のねこ。
こんな風に、ページをめくるたびに違う色をした動物たちが、見開きを大きく使って一匹ずつ登場します。その美しく鮮やかな色が画面いっぱいに広がり、子どもたちの目に飛び込んできます。なんてきれいなのでしょう。うっとりと眺めていると、最後に登場するのは、みんなが大好きな……?
絵本のつくりとしてもわかりやすい、繰り返しの問いかけの形になっており、小さな子どもたちにも、そのリズムの楽しさが伝わります。さらに動物の名前、カタチ、色を認識しながら、それらが次々につながっていく面白さもありますね。エリック・カールの色彩感覚を存分に体感できる、子どもにも大人にも気持ちのいい1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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