たかーい木の上にある、真っ赤な実を見つけたねみちゃんは
なかよしのねずみくんに取ってくれるように頼みます。
でも、ねずみくんは高いところが怖くて、木登りもできません。
大好きなねみちゃんに、「いくじなしね」といわれてしまい、
ガックリ肩を落とす、ねずみくん。
そこにひょっこり現れたぞうさん、
ながーい鼻で、赤い実を簡単にヒョイと取ってしまいます。
ねずみくんは、大きくて力が強くて、こわいものがなくて、
たくさんご飯が食べれて、大きな歩幅で遠くまで行ける
ぞうさんがうらやましくてたまりません。
こわがりやで ちからがなくて、
あしがみじかくて そのうえ ちっちゃなねずみくん。
でも、ねずみくんの魅力を、私たちはちゃんと分かっていますよね。
絵本の中でもねずみくんのことをしっかり分かってくれる子がいます。
それはもちろん…。
大人だって、子どもだって周りと自分を比べて、
コンプレックスを感じることがありますよね。
でも、だれにだって、他人を幸せにできる部分があることを、
ねずみくんは教えてくれます。
ねずみくんの魅力にますます引き込まれる1冊です。
(木村春子 絵本ナビライター)
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○あらすじ
ねずみくんは、ねみちゃんに、木になった赤い実をとってほしいとたのまれました。
でも、ねずみくんはこまってしまいます。木にのぼれないのです。たかいところがこわいのです。ねみちゃんは、「ねずみくんは、いくじなしね!」と言ってどこかへ行ってしまいました。
そこへぞうさんがやってきました。ぞうさんは、たかいところでもへいきだし、ちからもつよいし、こわいものもないし、おいしいものもいっぱいたべられる・・・
ぞうさんは、いいなぁ。ねずみくんは、ぞうさんがうらやましくてたまりません。
でも、そんなねずみくんにも、だれにもまけない、とってもすてきなところがあるんです。
○編集部より
だれにだって、いいところがあるはずです。自分でも気づかないような、すてきなところが必ずあります。ねずみくんを見て、みんなも気づいてくれたらいいなぁと思います。
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