ぼくにとって、金曜日は特別な日!
金曜の朝はいつもよりも早く、パパといっしょに家を出る。
町のみんなが急いでいても、ぼくらはゆっくり、急がない――
お父さんと息子の、ささやかで大切な習慣を描いた一冊。
ふたりは決まって金曜日には、朝早くいっしょに家を出て、のんびり町を歩きます。
開いていない店も多い、まだ目覚めていない町並み。
金曜日を経るごとに大きくなっていく、建設中のビル。
雨の日も風の日も、欠かすことのない金曜日の約束。
そして、近所のダイナーに到着したふたりは、ゆったりと朝食を食べながら、いろんなことを話します。
本作は作者自身の体験を元に描かれています。
作品と同じように毎週金曜日には、近所のダイナーで息子とふたり、朝食を食べているという作者。
息子が3歳のころからずっと続いているその習慣のおかげで、ふたりとも金曜日がくるのをとても楽しみにしているそうです。
「みなさんも、わたしたちのように、ちいさな行事をつくってみてください、ぜひ」
そう語る作者の言葉こそが、この作品をおすすめしたい理由のすべて!
息子と過ごすふたりの時間を、作者自身がとても愛おしく思っているのが、ひしひしと伝わってくる作品です。
この絵本を読めば、このちいさな行事を、きっとマネしたくなりますよ。
(堀井拓馬 小説家)
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