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安房直子の名作がついに復刊です!
鹿狩りの猟師の三人の娘がそれぞれ、不思議な鹿に連れられて鹿の市場に行き買い物をする。 幻想的で美しいお話しです。
初版は1979年、筑摩書房より刊行。
若き日のスズキコージによる素晴らしい装丁・挿絵も見逃せません。
鹿撃ち名人の猟師、清十さんは不思議な鹿と出会う。
ものをいう、鹿だ。
名人の清十さんでも、撃つに撃てないような気高さを持った立派な牡鹿。
命と引き替えに鹿の市へ連れて行き、何でも買える金貨を1枚くれた。
なんとも不思議なお話なのだが、神が宿り、天狗もいるといわれる山の中。
こんなこともあるかも知れない、と思う。
山に生きる清十さんが素直に受け入れているから、読む方もすんなりと入っていけるのだろう。
鹿はあるものを探し続けて、清十さんの娘三人を次々と誘って鹿の市へ連れて行く。
三人それぞれの性格がしっかりと書き込まれていて惹きつける。
このお話は、ハッピーエンドなのだろうか。
切ないラストなのだろうか。
読む者に委ねられているようだ。
安房さんの魅力的なお話に、スズキコージさんの絵が非常に効果的だ。
色彩のない版画のようなの絵が、より多くの想像を広げている。 (ちゅら。さん 40代・ママ 男の子12歳)
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