紀元前4000年の森…。巨大なクマの姿の悪霊に父を殺された少年トラクは、父との誓いを果たすため、〈精霊の山〉をさがす旅に出る。道連れは、子オオカミのウルフだけ。太古の闇の時代を少年とオオカミが駆け抜ける。壮大なスケールのシリーズ第1巻。
主人公の少年トラクのお父さんが
悪霊に取り憑かれた熊に襲われ死んでしまう…
そんな衝撃的な始まりに心をつかまれました。
この後の展開の鍵を握るこの場面が
あまりにも衝撃的で
430ページとちょっとと長めの本なのですが
一気に読み終わった感じです。
12歳の少年が
オオカミのウルフとレンという少女と一緒に
次々に襲いかかる困難を 自分達の力だけで乗り越え
目的を果たす姿が印象に残ります。
戦いでケガをしたり 生きる為に動物を解体したりする場面は生々しく
想像すると 心がチクチクしたりもしましたが
話の舞台は6000年前。
毎日を命がけで生きていた時代だったということなのでしょう。
この「オオカミ族の少年」は『クロニクル千古の闇』シリーズの第1巻。
シリーズの最終巻は第6巻になるとか。
内容も文章量もかなり読み応えのある作品ですが
知恵と勇気と信じる心で お父さんとの約束を
最後までやり遂げたトラクの勇姿は
読者の心に大きな刺激を与えてくれるに違いないと感じました。
最後になってしまいましたが
表紙と章の始めのカットを酒井駒子さんが手掛けています。
それだけでも十分魅力的な本なのですが
お話も それに負けていませんよ☆
高学年以上の子どもさんにお薦めです。 (西の魔女さん 30代・ママ 女の子15歳、男の子11歳)
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