“転勤都市”札幌の郊外に住むサッカー少年、ケイタ。小学校入学以来、彼の前には「ユウキ」という名の転校生が三度現れ、たくさんの思い出と痛みとを残してまた去っていった。六年生の新学期にやってきた四人目のユウキは、長い髪の女の子。彼女は不思議少女とあだ名され、いろいろな“奇跡”を起こして話題をさらうが、それがやがて彼女を孤立させることになっていく……。多感な子どもたちの心模様を生き生きと描ききった力作。
『つくも神』を先に読んだのですが、ファンタジー系の作品だった『つくも神』とはまた雰囲気が違います。
6年生の新学期を迎えたケイタ。ケイタが今まで仲が良かった友だちは転校生で、漢字は違うもののいつもユウキでした。
サッカー好きなユウキが転校してしまいケイタは転校生が二人あるうちの一人がユウキかもしれないと思うのです。
偶然、次の転校生もユウキでしたが、女の子で想像していたものとは違いましたが、ケイタは転校生の女の子ユウキを見守っていきます。
自然に友だち作りができる低学年と違って、六年生ともなると女の子は転校生でなくても友だち作りがむずかしくなるものだと思います。
ユウキが転校した学校で必要以上に気を回してしまうのは、読んでいて痛々しさを感じました。
ケイタを通じてユウキの様子が描かれていますが、非常に丁寧な描写ですので、わかりやすく、今度四年生になる息子も私が三分の一ぐらい読み聞かせをしたところで、一人で読み始めました。
結局、うちは夫もこのお話を読んで家族で読んだことになります。
『つくも神』『ユウキ』と読んできたので、今度は『鬼の橋』の方へ読み進んでいけたらと思います。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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