この本は、滋賀県愛知川町の「びん細工手まり」題材に、主人公のまりこが、友達をつくるお話です。まりこには友達がいなかったので、おばあちゃんが、一本、一本の糸に願いを込めて手まりを作ってくれます。おばあちゃんの孫を思う気持が伝わってきます。糸ごとに、おばあちゃんの願いを込めた気持が解かるように、背景の色をそれぞれの色にしてあるので、小さい子には、ちょっと難しいやさしいとか思いやりのイメージを掴み取る事が出来ます。まりこが広場で、手まりをついて遊んでいると、次々に森の動物達がやって来て「手まりを貸して」と言い、まりこも喜んで貸してあげるので森の動物たちと仲良しになれます。子供は、自分の物は、なかなか貸そうとしない時期があるので、その時に読んであげてもいいかなと思います。みんなが仲良しになった記念にお祭りをする事になったのをおばあちゃんも大変喜んで、びんに入った手まり「びん細工てまり」を作ってくれます。その手まりは、日本の四季を表現した物で、猪熊祐子さんの手によってきれいに表現してあります。こんな「びん細工手まり」がほしいと思うほどです。華麗さと繊細さを誇る「びん細工手まり」が、いつまでも継承していってほしいと思います。
(ぷちどりーむさん 30代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)
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