きっかけは、中川季枝子さんの講演会をお聞きしたことでした。
子どもの頃の思い出として、岩波少年文庫に出会われたことが、中川さんご自身の中でもとても得難い体験であったこと、
講演会でも話されていましたし、この本の中でもやはり出てきます。
子どもの時に何を得、何が残るのかということを考えると、大人になった時に芯になる部分ができるのだろうと思います。
このエッセイを通してそんなことを思いました。
昨年『ジブリの本棚』というのが放映されていて、そのDVDを見る機会がありました。
その中にも中川さんが出演されていて、「子どもはおもしろいのよ」と言われていたのがとても印象に残っています。
中川さんの作品を見ていると、その言葉がとても腑に落ちます。
子どものかわいらしさだけでなく、おもしろいところを発見して、私たち大人にもわかりやすく絵本の世界で伝えていただいているのだなあと。
誰でも自分の心に子ども時代を持っている。その心を忘れない人がこうして、子どもにもわかる作品を作られるんでしょうね。
時としてとてもユーモラスな一面もある中川さんの講演会でお聞きした声と共に、作品を通して考えられていたこと、子ども時代の思い出が私の心の中にも入ってきました。
中川さんの作品を鑑賞するとともに、読んでいただきたいエッセイです。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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