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人里はなれた静かな川べで素朴な暮らしを楽しんでいるモグラやカワウソたち.わがままで好奇心旺盛なヒキガエル.小さな動物たちがくりひろげるほほえましい事件の数々を,詩情ゆたかに描いた田園ファンタジー.
この長い、滑稽な、ものがたりは、
作者が幼い息子のために即興で作ったお話がもとになっているようです。
挿絵は、「くまのプーさん」の挿絵を描いたE・H・シェパードが描いています。
川べの小動物の様子が想像出来て楽しい挿絵です。
お話の発端は、モグラが、春の大掃除をしていたのですが、
漆喰だらけになって壁塗りをしている最中に、何もかも放り出して外に出てきてしまうのです。
春のうきうきとする陽気が地中にまで届いてじっとしていられなくなったのでしょう。
そのまま川辺に行ったモグラは気の良い野ネズミに声をかけられ、
二人は意気投合して、しばらく野ネズミの家で過ごします。
カワウソやアナグマ、とてもおかしな富豪のヒキガエルなどが出てきて、
長閑な田舎での、面白いお話が繰り広げられます。
動物たちのお話でありながら実に人間臭いと、
読み直す度に思います。 (capellaさん 60代・じいじ・ばあば )
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