よるのどうぶつたちは何をしているの?ふだん見ることのできないすがたを、木版画で紹介したユニークな絵本。
【書評から】
◎動物園に勤めることになった青木さんの初仕事が、夜の見回りという設定で、さまざまな動物たちの様子が順に紹介されていく。まずはこの設定が実に効果的で、人のいない暗闇の中での動物たちは、昼間のベールを脱いでその本来の姿を現しているような存在感がある。先輩の飼育係に導かれながらも、動物たちとの出合いを全身で受け止めている青木さんの心情は、そのまま読者のドキドキに重なるだろう。
この絵本では版画が使われていて、ベージュの地に黒インクの絵、そして文字の赤のコントラストが美しい。版画というのは色の反転をイメージさせる画法だと思うが、それが昼と夜の反転、見る側と見られる側の反転を象徴しているようでもあり、実に効果的だ。(東京新聞)
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