電車に乗って家族で海に来て、浜辺に出てみたら、「まってたんだ らいおんが。」ですって。
え? 浜辺にライオンが?
このライオンときたら、パラソルの下の椅子に寝そべって、サングラスをかけてグラスを手に持って。それで「このまえは どうも」ってちゃんと挨拶をするんだからおもしろい(正座して帽子とサングラスをとって挨拶するんですよ)。
海に入った「ぼく」はライオンに手を引っ張ってもらって泳いだり、背中に乗せてもらったり。しかもライオンは溺れている人まで助けちゃう! なんて力持ちで頼りになる、楽しいライオンでしょうね。そんなふうに思っていたら救急車が浜辺に到着した途端……!?
長新太さんならではの黄土色やピンクの色づかい、そして海! 海水浴の季節に読みたくなる、ファン必見の愉快な絵本。カッコよくて強そうなのに、実は、ちょっと苦手なものに弱くてあわてんぼな感じが、子どもに愛される所以なのでしょうね。ライオンのぬれてすべすべしたたてがみにくっついて、仲良くできる「ぼく」がうらやましい!
長新太さんの「らいおんシリーズ」2作目。同シリーズは他に『よわむしらいおん』『たかいたかいらいおん』『くいしんぼらいおん』があります。親子でぜひ一度手にとってみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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