明日の朝6時、運命の「時」はやってくる。それまでに何もかもを思い出しておきたい。どんな些細なことも…。ほんのはずみで、戦場に行くことに決めたんだ。兄のチャーリと一緒に。だって、ぼくらは、いつも、何でも、分かちあってきたんだから。
戦争に赴かざるを得なかった二人の若い兵士の物語である。
戦争の最前線で真っ先に死にさらされるのは、階級の低い兵士だった。彼らの多くは、家族のそばにいたかったし、大切な家族を戦争から守りたかったからこそ、戦地に行ったのだ。
戦時下、冷酷な者は平時以上に冷酷になる。優しい人は、平時以上に優しくふるまう。人としてのこの差はなんだろう。
人の命はその人だけのものではなく、
家族や亡くなった人と縁がありつながっていた人のものでもある。
心の中で大事なものが壊れてしまうのだ。
戦争においては、明確に敵の国と味方の国という明確な区切りがあるはずだが、上官に逆らったり、意に添わない動きをすれば制裁を受けてしまう。
なんだ、これは。
戦争ってそもそもなんなんだ。
こんなことがあっていいはずがない。こんなことが許されてはいけない。読み終わってから、すぐさまPCに向かい泣きながらレビューを書いている。
モーパーゴが書かずにはいられなかった気持ちがよくわかる。
怒りと祈りが伝わってくる作品だ。 (はなびやさん 50代・ママ 男の子18歳)
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