男の子の清らかな心が、小さなもみの木を、世界一の美しいもみの木に変えるクリスマスの夢物語。もみの木がどんどん大きく伸びてゆく場面は、ページをめくるたびに驚きの連続となるでしょう。また同様に、ここの描写は簡潔でテンポがよく、物語の大きな山場でもあります。
キリスト教的なクリスマスの絵本ですが、心の交流という視点では普遍的とも言えます。前半、寒い風の中、はだしのままの男の子の姿に胸が痛みますが、その分、男の子とアイデルさん一家の出会いに心が温まります。やさしいタッチの色鉛筆の色彩が、さらに素朴で温かい印象を加味しています。
――(ブラウンあすか ;絵本ナビ オフィシャルライター)
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