新鮮なアップルパイの材料を求めて世界中を飛び回る女の子が主人公。船上でイタリア語の勉強をしたり、パリ行きの列車に飛び乗ったり、スリランカでは象に乗ってみたり……と、女の子の心をくすぐる旅行気分も一緒に味わえる楽しい作品です。たまごや牛乳など日持ちのしない材料は、その産みの親をそのまま連れて帰るという大胆さ。塩は海水、砂糖はサトウキビからという徹底ぶりは、見ていて小気味いいほどです。もちろん巻末には、パイの皮と具の作り方つき。見返しには世界地図が紹介され、地理+お料理が一緒に学べる賢い一冊になっています。軽やかな筆さばきの明るい水彩画は、ご機嫌なパイ作りをかわいく演出しています。
――(ブラウンあすか)
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