てっぺんがとても具合のいいイスになる、一本のりんごの木。祖父が作ったりんご園で育った父、そしてぼく。りんごの木の心温まるなつかしい思い出。
あの木がなかったら、僕は生まれなかったかも知れない。
ふとそんなことを感じました。
おじいちゃんが何十年も前に始めたリンゴ畑で、お父さんが気に入っていたてっぺんいすの木。
お父さんはその木とともに育ち、恋もしたけれど、その木を残し、都会に出て町で働き始めました。
おじいさんがリンゴの木を植え直した時に、一本切ることができなかったてっぺんいすの木。
お父さんが都会の仕事を辞めて、おじいさんの仕事を継ぐことになったのも、てっぺんいす木にのぼり、見渡した懐かしいふるさとの風景があったから。
てっぺんの木があったから、お父さんは故郷に戻り、お母さんと結婚したから僕がいる。
そう考えると、てっぺんいすの木は、僕の神様かもしれない。
勝手に考えてしまいましたが、私のルーツも、父母がいるから。
父母の出会いを考えていくと、なんだか甘酸っぱい気持ちになります。
自分が育ったのではないけれど、父母の故郷は自分の原風景のようです。
(ヒラP21さん 50代・パパ )
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