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世界中で愛されている、エリック・カールの代表作『はらぺこあおむし』。 この絵本が子どもたちを魅了し続ける秘密は、どこにあるのでしょう?
暖かな日曜日の朝、たまごから生まれたのは、ちっぽけなあおむし。 あおむしは、お腹がぺっこぺこ。 食べものを探しに出たあおむし、月曜日にはりんごを一つ、火曜日にはなしを二つ。 まだまだぺっこぺこのあおむしは、水曜日にすももを三つ、木曜日にはいちごを四つ食べ…。 たくさん、たくさん食べたあおむしは、すっかりふとっちょ! やがて、あおむしはさなぎになり、何日も眠ったあと、それは美しいちょうちょに変身したのです。
小さなあおむしが、卵から幼虫、さなぎ、蝶へと変化する様子を描いているのですが、単なる知識絵本では終わりません。
一つ目のポイントは穴の開いたしかけのページ。これが、まだお話を理解できない小さな子どもたちやあかちゃんをも虜にしてしまうのです。指を入れたり、めくったり。こうして絵本に親しむきっかけにもなっているのですね。
二つ目は、力強いストーリー。ちっぽけだったあおむしが、ぐんぐん大きくなっていき、最後には美しいちょうになるという展開は、何度読んでも元気と希望をもらえます。
三つ目は、エリック・カール作品の大きな魅力の一つでもある美しい色彩! 子どもたちの大好きな食べ物はどれも美味しそうに描かれ、あおむしを見守るおひさまは優しく描かれ、ちょうちょはうっとりするほど美しく描かれています。コラージュの手法により描かれるその世界観こそが、登場する全てのキャラクターを生き生きと輝かせているのです。
更に数字や曜日、一日の始まりと終わりが登場したりと、年齢を経てもずっと味わえる内容になっているのも、ロングセラーとして愛され続けている理由なのかもしれません。小さな子には持ち歩きに便利なボードブック版が大人気ですよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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にちようびの あさ うまれた ちっぽけな あおむしは、 おなかが ぺっこぺこ。 げつようびには りんごを ひとつ、 かようびには なしを ふたつ……。 たくさん たくさん たべて、 ふとっちょになった あおむし。 さなぎになって、 さいごは うつくしい ちょうちょに へんしんします。
【金柿パパ】 妻へのはじめてのプレゼントが、米国で出会ったこの絵本(原書)でした。そして娘のファーストブックもこの絵本。つかんで破いてビリビリになるんだけど、それをテープで補修するのがまた楽しい。人類の至宝(大げさかな)
今日、とっても久しぶりに開いたこの絵本の1ページ目に
小さな破れ目を見つけました。
さっそく修理用のテープで貼り合わせました。
絵本のページにテープを貼るのは、いつ以来でしょう。
子どもたちが小さい頃は、しょっちゅう色んな絵本のページを
貼り合わせていました。今はもう子どもたちも大きくなり、
本のページが破れるようなことは殆ど無くなりましたが。
「はらぺこあおむし」が初めて我が家にやってきたのは
上の子がまだ生後2カ月だった頃。
初めて自分の子どものために買った絵本です。
これが“ファーストブック”と言うのでしょうね。
(その頃は、私はそういう言葉は知らなかったのですけれど。)
生後2カ月といえば、まだコロンとベッドに寝ているだけの時期でしたが
私は「自分の子どもに絵本を買ってあげた!」ということが
なんだかとても嬉しくて
何度も何度も私の赤ちゃんの顔の前に絵本を持って行っては
せっせと読んであげていました。
私の赤ちゃんは、泣きもせず、笑いもせず、
ただただ不思議そうな顔をして、ひたすらじーっと絵本を眺めていましたっけ。
いつしかこの1冊は、私の赤ちゃんのお気に入りの絵本となりました。
ハイハイできるようになると、棚からこの絵本を引っ張り出して片手に掴み、
絵本をバッタンバッタン言わせながら必死にハイハイして私のところに来ては(絵本を持ったままハイハイするのって、とっても大変そうだけど、その姿はとっても可愛かったです)
『読んでー!』とせがむようになりました。(まだまだ言葉では話せませんでしたが。)
そのたびに、何度も読んであげました。
そのうち言葉らしきものが話せるようになると、
はらぺこあおむしが泣いている場面では、自分も一緒に「えーん、えーん」と言って泣き真似をしてみせるようになりました。
くだものに開いた穴はもちろん大好きで、もう少し大きくなってからも
このページにくると、必ず全部の穴に指を入れていましたね。
おかげで「きんようび」と「どようび」のページなんて、
どの穴もヨレヨレです。
本当に、あきれるくらい何度も何度も親子で楽しんだので
あっちのページ、こっちのページ、いたるところセロテープだらけです。
そのうち下の子が生まれ、
下の子もやっぱりこの絵本が大好きで
セロテープはますます増えました。
今はもう2人ともずいぶん大きくなり、この絵本を開くことはなくなりました。
それでも私はごくたまに、こうして
一人で「はらぺこあおむし」を開いては
あの懐かしい日々を思い出しています。
ページはあちこちしわしわで、貼られたセロテープは黄色に変色してしまっているけれど
開くたびに「この絵本は我が家でたっぷり愛されたんだな〜」としみじみ感じます。
うちの子どもたちはその後、色んな絵本に出会い
やがて、絵本だけではない「本の世界」に羽ばたいていきました。
それはまるで「はらぺこあおむし」のストーリーそのまま。
我が子達が人生最初に出会った絵本が
「はらぺこあおむし」で、
とても幸せだと、今、この絵本を開きながら思います。 (R☆さん 40代・ママ )
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