「はやく、誰かが自分をうちにつれていってくれないかなあ」
大きなデパートのおもちゃ売り場に並んでいるぬいぐるみや人形は、みんなそう思っています。くまのコールテンくんもそう。でも、緑色のズボンをはいた小さなくまのこを買っていこうとする人はなかなかいません。
そんなある日、コールテンくんは自分のボタンが片方とれていることに気がつきます。そして夜になると、デパートの中を探しに出かけるのです。初めてのエスカレーターや家具売り場。大きなベッドに警備員さん……。 結局ボタンは見つからなかったのだけれど、次の日の朝、コールテンくんのところに女の子がまっすぐやってきます。昨日もやってきたあの子です!
好奇心旺盛なくまのコールテン君と、彼を一目で好きになり、自分のおこずかいをはたいて買いに来た女の子との心のふれあいを描く、アメリカ生まれの傑作絵本。
「ぼく、ずっと前から家で暮らしたいなあって思ってたんだ」
コールテンくんの素直な言葉の一つ一つやその表情や行動、どれもがとっても愛らしく、読んでいる誰もが彼の事を好きにならずにはいられなくなります。幸せな出会いって、見ているだけでも嬉しい気持ちになれるんですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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