海の上に飛行機が一機。たくさんのねこたちがボートから飛行機へ乗り込みます。 飛行機は飛び立ち、クジラから逃れ、雨の中を抜け、街を越え、森を越え、犬から逃れ、人の手から逃れ、また海に戻ってきます。ごろごろにゃーん、ただいまー。
まったく不思議な魅力の絵本です。 色は黒と青の線に黄色がほんの少しだけ。最初と最後のページを除いて全てのページが「ごろごろにゃーんごろごろにゃーんと、ひこうきはとんでいきます」という文章なのです。 とびうおのような奇妙な形の飛行機にねこたちが乗り込んで飛んでいくのですが、なんだかワクワク楽しくて、ただいまーとねこたちが帰ってきた後、もう一回乗りたい!と思ってしまう。 そう、遊園地ののりものみたいな作品です。
飛行機は猫で満席。ごろごろ言うのは飛行機。にゃーんにゃーん鳴くのは猫。ふたつあわせてごろごろにゃーん。斬新、奇抜、愉快が同居した長新太の快作!
どのページも同じ色と文章がずっと繰り返される。一見、読み聞かせる方は単調な本?と思ってしまうけれど、これは犬だね、これは飛行機だね、おおきいね、等、読み手が思ったことを添えてあげるだけで子どもなりの楽しみを広げているようです。自分で本をめくって、独り言のように、私がコメントしたことを真似して言ってます。 (ぼんぬさん 40代・ママ 女の子2歳)
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