もともとトムテとサンタクロースは別々のものでした。
トムテは北欧の森に住む妖精でした。
トムテは、家族とその家族が住んでいる土地や農場を守るのが役割で、そこの農夫やその家族の暮らしを楽にしてあげることが彼の仕事です。
トムテは、人々が眠りについている夜のあいだに、こっそりと自分の仕事をするのが常なので、その姿を見掛けることは決してないというのがサンタクロースに似ていますね。
トムテは人々が感謝の気持ちを忘れたり大切な扱いをしないと機嫌を損ね家を離れたり、そこの家に災いをもたらすちょっと厄介な存在でもあります。
もともとキリスト教の国ではなかったスウェーデンにキリスト教が入って来た時、人々はこの土着の古い伝統とキリスト教を上手く合体させていったという説が有力のようです。
さて、不幸そうな境遇の主人公の少年ウィグが、トムテン(トムテ)からクリスマスのプレゼント配りに誘われ、凍てつく雪道を馬車に乗り様々な家庭に行きます。
貧しいながらも勤勉な家庭・豊かゆえたくさんのプレゼントへの感激の薄い家庭・果ては国王陛下のお城にまで配ります、
途中、愛想を尽かし家から出ようとするほかのトムテンや、イヴの夜にもかかわらず農作業を休まぬトムテンなど、ウィグは一日でたくさんのことを見聞します。
最後に同行したトムテンから渡された自分へのプレゼントを貧弱と感じ不満顔のウィグでしたが、山の小人の王国へ連れて行かれ、・・・。
不幸な境遇に不平不満をいう事よりも、自分が生かされているという目の前にある幸せに感謝する事で、「真の幸福」が見えてくるという事をトムテンから教えられた事が、ウィグにとっての最高のプレゼントだったのではないでしょうか。
スウェーデン独特の教訓的なクリスマスのお話でした。 (アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子12歳)
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