へその緒がついたままの新生児、今を力一杯に駆け抜ける少年、夜の街で携帯電話に見入る女子高生……。さまざまな年代の子どもたちの一瞬の表情を捉えた写真に、詩人・谷川俊太郎氏が詩を寄せた写真詩集です。 「今」を全力で生ききり、一瞬一瞬を脱ぎ捨てて新しく生まれ変わりながら成長する子どもたち──その生きざまや心の声を、『すき』『どきん』(理論社)など少年詩の分野でもすぐれた作品を生み出している谷川氏が綴った、子どもたちの「遺言」です。 子どもを取り巻く大人にとっては、あの日通り過ぎていった子どもたちの表情、今見過ごしている子どもの心に出会い、ふれあいを深めるきっかけとなる一冊です。子どもたち自身にとっても、詩は自らの心を模索する道しるべとなるでしょう。それらの詩は彼らの心の奥底にとどまり、長い人生の途上で何度も浮上しては、自己を見つめる機縁となるはずです。年代を超えて、広くお薦めしたい一冊です。
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0歳から20歳までの年代ごとの子どもたちの写真と、その断片ごとの詩。
谷川俊太郎の詩とわかっていても、子どもたちの作品集と間違えてしまうほど、詩は子供たちの心からあふれだしてくる言葉のように思える。
谷川俊太郎は、生まれたての赤ん坊から、成人式を迎えた女性まで、年齢、性別を超え、子どもたちになり切ってしまうところからしまうところからこの写真に詩を加えている。
すごいと思う。
写真も、見事に子どもたちのあるがままを、とても至近距離からとらえている。
写真が生き生きしているから、詩も生き生きしているのかもしれない。
この絵本(?)は、自分にとってはすべて過去形であるが、わが子の通過した年月と、これからたどる道程を感じさせてくれる。
詩の内容が前向きで、自己肯定だからほっとできる。
この本を子どもたちが見たらどうだろう。自我が育ち、自分を確立し始めた子どもたちにとって、この本は自分の過去の確認とともに将来を展望させてくれるのではないか。
しかも、とても自然に。
その意味で、この本はやはり読み聞かせのできる絵本である。
高学年以上の子どもたちにとっての現在・過去・未来。
彼らもまた人生の途上である。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子12歳)
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