ねずみのニコラスは、赤く熟した木の実を探しにいく途中、大きな鳥にさらわれ……。 レオ・レオーニの傑作絵本、待望の再刊!
レビュー投稿数が少ないので驚きました。
レオニさんの作品は、いずれも核になるテーマが一本必ず入っていますね。
この作品も、中盤過ぎからドキリとする言葉遣いと激昂のため冷静さを失った危険な空気を感じ、『そうかここにテーマがあったのか』と気づきました。
ニコラスたちのねずみが、かじっている野いちごは、薄桃色の甘くもなく水気のないものばかり。
美味しい野いちごは、鳥たちに先に食べられてしまうようです。
「・・・くたばれ!」なんていう言葉を発してもおさまらず、ニコラスは、鳥たちに見つけられていない美味しい野いちご捜しに出かけます。
ところが背丈の高い茂みを抜けたところで、大きな恐ろしい鳥が、ニコラスめがけて・・・。
この後のほのぼのとした展開が良いですね。
一人ご馳走と共に取り残されたニコラスが、“さびしくて たべられなかった”という一文が心に残ります。
現在、国際社会の中で、風当たりが穏やかとはいえない日本の立場。
他国との摩擦の事件を耳にし、その国の人々全体を評価するような間違いは起こしたくないものだと、この作品を読み改めて思いました。
たくさんあるレオニさんの作品の中で、この作品のコラージュが私は気に入っています。 (アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子12歳)
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