この絵本の主人公はちびとのっぽ。細くて長くて、変わった形をしているけど……そう、時計の短針と長針なのですね。
ふたりが散歩に出かける時は、ガラガラ荷物を持って。だって、どんぐりがとおせんぼをしながら「いま なんじか おしえてくれたら とおしてあげる」って言うんだもの。すうじを使えば、お花があっという間に時計に早がわり。 さて、何時かな?
ちびの頭が7をさしているよ。
のっぽはまっすぐ12のところを向いているね。
こんな時は「7じ」って言えばいいんだよ。
そのまま一緒にみんなで歩くと、時計もどんどん進む。ちびが少しすすむ間に、のっぽはどんどん動いているね。さて、今度は何時かな?
こんな風に、出会ったお友だちと遊びながら、時計の読み方をわかりやすく教えてくれるのが、「とけいのほん」シリーズの1冊目。時計の読み方って難しいよね。スラスラ読めるまでには、時間がかかるもの。だから、この絵本を読んだからって、すぐに覚えようとしなくても大丈夫。ゆっくり、お話を読むつもりで楽しんでみてね。
小さな子どもたちの遊びから、あいさつや言葉、算数まで、絵本の中で色々なことを教えてくれるまついのりこさん。だけど、その内容は決して堅苦しいことはなく、シンプルながら不思議と印象に残る愛らしいキャラクターが魅力的なのです。読みたくなったらいつでも取り出せるよう、長く本棚に置いておいてくださいね。続きの『とけいのほん2』では、分の単位も登場しますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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