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町はずれの子供の施設にくらすヒルベルの心を、だれが本当に理解しようとしていたのだろうか? 衝撃をなげかけた問題作を文庫化。
昔からの名作というわれている児童書の1冊です。
タイトルは知っていましたが、読んだのは初めてです。
『ヒルベル』というのは、ドイツの造語(らしい)で、「ヒルン」という脳とか知能を意味する単語と、「ヴィルベル」という混乱を意味する単語をくっつけたものだそうです。
この作品の中で、『ヒルベル』とは、1人の男の子のあだ名で、本人自身もそう呼ばれすぎて、自分の本名は思い出せない。という設定でした。この話の『ヒルベル』が本当にいたかどうかは、作者は問題にしていません。
こういう子どもがいることを知ってほしかった。と、後書きに書いてありました。
想像していたより、とても短い話で、スーっと、読めてしまいましたが、こういう児童書を今どきの子どもたちが手に取るかというと、ちょっと難しい気がします。
ただ、この本が描かれた当時に比べ、
高知能障害など、各種知能障害の分野の研究が進み、以前に比べて理解されるようになり、受け入れる側の認識も変わってきた(誰もが理解があるわけではありませんが)感はあります。
なので、今この本を進めるとしたら、小学生くらいのヒルベルと同年代の子どもたちではなく、
こうした障害や児童の勉強をしている人に、一度は読んでもらいたい作品だと思いました。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子15歳、女の子10歳)
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