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素性をいつわった少女ベリーヌが、財産家であり、冷徹で孤独な祖父ヴェルフランの愛を勝ちえるまでを、近代化の進む紡績工場を舞台に描く。
BS2で現在『ペリーヌ物語』が放映中で、家族で見ています。
今後どうなるのか、私はアニメも見たことがあり原作も読んだことがあるので知っていますが、知らない息子のために、下巻だけ見つけたので買って読み聞かせをしました。
ちょうどアニメは上巻が終わったぐらいのところだったので、次にどうなるということがわかってよかったようです。
子どもの頃に読んだのは抄訳で、この本は完訳ということもあり、ペリーヌの性格は、アニメよりも抄訳よりももっとしっかりとしてしたたかなところもある少女だったのだと思いました。
アニメになると小公女もそうでしたが、日本人好みのしっかりはしているけれどもか弱いところもある線の細い女の子になってしまうんですね。
その方が日本人受けするからということなんでしょうか。
アニメでは母親はイギリス人ということでしたが、完訳ではインド人ということになっているので、
祖父が父の結婚に反対した理由というのも飲み込めました。
甥が二人いたり、ペリーヌの家庭教師がいたりと、アニメではない設定もあり、驚きました。
もう一つ工場長のタルエルがアニメよりも陰湿で怖い存在に感じました。
マロは孫娘のペリーヌのためにこの小説を書いたそうですが、いろいろな困難に直面した時の処世を学ぶ小説でもあるように感じました。
当時の労働問題も含まれていて、読み応えがありました。
上巻ではどのように描かれているのかぜひ読んでみたいです。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子8歳)
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