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しさを育む日本の名作が絵本になりました。 もうこの世にいなくなってしまった母さん鳥を、栗の木のほらで待ち続けるむく鳥の子ども。ある雪の夜、子どもの鳥がみた夢は……。日本のアンデルセン、浜田廣介の童話が現代画家の絵で甦ります。
この世にいない母を恋しがるむく鳥の子ども思いがとても切なく透明感をもって伝わってくる作品です。
母親がどうしていないのかわからない子どもに、お父さんはお母さんが海を越え、山を越えて飛んでいるのだと教えます。
いつになったら帰ってくるのか、子どもにはとても長い日々です。
むく鳥の子は、風の音を母鳥の帰ってきた音だと思い、音を出している枯葉を大事にします。
一枚残った葉を、馬の毛で木にしっかりとくくりつけ、そして慈しみます。
母親への思いがひしひしと伝わってきます。
お父さん鳥もいつか本当のことを伝えなければいけないのです。
その哀れさも思い描かれます。
子とお父さんと自然だけで語られる、そして説明よりも感じさせるお話なので、小さな子には難しいかもしれません。
噛みしめれば噛みしめるほど哀しさがにじみ出てくる絵本です。
網中さんの絵もお話にとても合っています。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子13歳)
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