人間の尊厳を問いかける、本当にあった物語。 おじいさんは少年に、旅先で物乞いをしていた忘れられない男のことを語りはじめます。 深い川の流れのように続く、おじいさんと少年の厳しく優しい「対話」物語。
女の子がおじいさんに何度も繰り返し聞きたがるのは、おじいさんが物乞いに施しを与えてあげた美談でした。
しかも、物乞いに施しをした上に、誰かも分からない相手に手紙を書いて、人々の手で手紙が届き、返事が帰ってきた奇跡でした。
でも、物乞いからすれば、あれこれと話を広めては欲しくない、名前もおじいさんにだけ伝えた、それだけだったのでしょう。
雪の下に埋もれた名前という言い方が、素晴らしいです。
美談は、自慢したり、語り歩いたりしないから美談なのですよね (ヒラP21さん 60代・パパ )
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