
わけもないのになぜかうれしい、そんな瞬間を集めました。ページをめくり独立したイメージにふれるたび、人の心の働きのふしぎが見えてきます。生きる喜びにつつまれます。
朝起きて、布団の中にただよってきたごはんの香り、夕方、帰路の途中にふと耳に入ってきたピアノの音……、わけもないのになんだかうれしくなる、そんなことがありませんか? それは人の心のふしぎです。子どももおとなも、だれもが感じる日常のそんな瞬間を、詩人谷川俊太郎が60編の単文に結晶させました。そのテキストに協力、ときには挑戦してくださったのは、秋野亥左牟、井上洋介、太田大八、奥山民枝、片山健、梶山俊夫、佐内正史、杉田徹、 鈴木康司、瀬川康男、長新太、クエンティン・ブレイク、タナ・ホーバン、増村征夫、 元永定正、山下寅彦、山本容子、柚木沙弥郎、和田誠という子どもの本の世界はもちろん、各方面で活躍中のそうそうたる顔ぶれ。これらの方々が、なんだかうれしい瞬間を、絵や写真でみごとに表現してくださいました。ページごとに独立したイメージに「そう、そうなんだ!」と共感しているうちに、人の心のふしぎに驚くとともに、「なんだかうれしく」なってきます。
 
 

不思議な本です。
いろいろな人がちょっとした、「なんだかうれしい」ことを描いたり写したりしたものを持ち寄って、それに谷川さんが詩をつけました。
こどもたちのうれしいって、けっこう身近にあふれているのだと痛感。
本当にうれしい瞬間、よくわからないけれどもなんだかうれしい場面、なんだかうれしくないようにも思える場面もあるのですが、まとめてながめてみるとやっぱりなんだかうれしいのです。
子どもたちの「なんだかうれしい」はよくわからない。
首をひねりながら読んでみたのですが、終わってみると心が温まる絵本でした。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子13歳)
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