アフリカ大陸中央に位置し、熱帯雨林から砂漠まで、さまざまな自然を持つカメルーン。 無邪気な子どもたちの笑顔が、とても魅力的です。
2009年刊行。2008年ごろ現地で取材。カメルーンの首都ヤウンデを始め、特徴のある地域を回り、人々の暮らしぶりや子ども達の学校生活などを紹介する写真絵本。巻末に歴史や文化、産業などの概要もまとめてある。
カメルーンといえば、サッカー。そして日本でタレント活動や漫画などで知られる星野ルネ。毎日小学生新聞に連載されていた「アフリカ少年が日本で育った結果」は単行本にもなっている。ギャグ満載。
そのほかのことは全く知らなかったので、全部のページが新鮮な驚き。特に印象に残ったのは、植民地の歴史の結果、国内が2つの勢力に分かれてしまったこと。ドイツ支配→第1次世界大戦でフランス、イギリス。その後独立。フランス語を話す人と英語を話す人で社会的な差別があり、不利益を被っている少数派の英語話者。本書では書いていないが、別の本で、その人たちが亡命生活をしているのを知った。
水道や電気やガスなどが整備されていないなどの理由で、子どもも家の仕事を手伝うのが当たり前で、なかなか学校に通えない状況も紹介されていた。便利な仕組みがないので、たっぷり時間をかけて食事を作ったり、水汲みをしたり、農作業などを手伝ったりして、大人の働く様子を毎日見て、自然と覚える。読み書きも大事だが、そういう生活力を養うのことも大事だと思う。
羨ましいのは、狩猟採取民族の子どもたちの暮らし。森の中で遊びながら狩りの仕方や生き抜く力も養う。大人たちが小屋を作るのをいつも見ているので、自分たちが遊ぶ時も小屋を作ることができる。本気の「秘密基地」で、楽しそうだ。
足らないものはいくらでもあるし、問題もたくさんあるけど、毎日を精一杯生きて、おしゃれをして、人生を楽しんでいるようだ。
歌や踊りがいつもあって、自分で楽しみを作り出せる人々だと思う。なければ作ればいいのだ。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
|