独自の動植物をはぐくんだ自然と、アフリカの中でもアジアに近い文化を持つのが特徴です。 緑あふれる自然が、人々の心を豊かにしています。
2009年発行。アフリカ大陸の東南にある世界で4番目に大きい島、マダガスカル島。熱帯の島で暮らす人々の日常生活や、小学生の学校生活、農村や漁村の仕事、結婚式などの宗教行事を取材した写真絵本。巻末には歴史や経済などの詳しい資料付き。
不思議な島で、独自の生き物や植物があり、その歴史もわからないことが多い。人類が住み始めたり、交易船が到着したりしてからようやく記録に残るようになったらしい。
マダガスカルと言えば、バニラ。他のことは全然知らなかった。マダガスカルでは米の栽培が盛んで、たくさん米を食べる。農業は手作業が多く、どことなくアジアの昔の風景のようで、妙に懐かしい感じがした。都市部と農村部での生活が全く違い、農村部では井戸も水道もなく、毎日何回も水汲みをしたり、農作業などを手伝うために学校にいかない子どももいる。設備は整っておらず、物資も人材も不足しがちな環境でも、将来は「村の人を助ける医者になりたい」「お米がもっと出来るよう、農業を勉強したい」という子どももいる。家に帰れば勉強よりも、手伝いや小さい子の世話などをするから、「道草しながら返る時間」が一番楽しい、という子もいる。
いろんな状況の人生が垣間見えたが、どの人も受け入れて、人生を楽しもうとする様子が感じられた。現地で働いている日本人の記事もあり、マダガスカル人の心の温かさが伝わってくる。
バニラやコーヒー、バオバブの木などと共に、マダガスカル人のことも思い出したい。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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