小さな女の子メリーメリーのまわりにはいつも笑顔がいっぱい。五人きょうだいの末っ子で四人のお姉さんとお兄さんがいる毎日はメリーメリーにとって背伸びしたい出来事の連続です。まだ小さくて、大きいお姉さんお兄さんとは同じようにいかないこともたくさんあるけれど、メリーメリーは決してあきらめず、一生懸命考えて1つ1つみんなが驚くほどしっかりやってのけるのです。
たとえば最初のお話「メリーメリーの“びっくりプレゼント”」では、きょうだいたちが「母の日」のプレゼントを買うにはまだ小さすぎるから「来年まで、まちなさい」と言うのに対しメリーメリーはこう答えます。「またない」「お母さんは、いまだって、あたしのお母さんなんだもん。それだのに、どうして、お母さんは来年まで、あたしのプレゼントまたなきゃいけないの?」大きくなるまで待つのではなく今できることを精一杯やろうとするメリーメリーの気持ちが伝わってくるセリフです。そして、お花を買うお金が足りなかったメリーメリーですが、お母さんを驚かせる「びっくりプレゼント」をちゃーんと準備できたようですよ。
他にも、お姉さんお兄さんに負けずにメリーメリーらしい方法でお金をかせいでみんなをびっくりさせた「メリーメリー、お金をかせぐ」。記念写真を撮るのに、きょうだいの誰よりもとびきりいい顔ができてお母さんを喜ばせた「メリーメリー、写真をうつしてもらう」、古びたハンドバッグをごみ箱に入れておくだけで、バスケットとガムと赤いおさいふを手に入れた「メリーメリーのハンドバッグ」、立派なゆきおとこを作ってお母さんときょうだいをあっと驚かせた「メリーメリーとゆきおとこ」の、どこから読んでも楽しい5つのお話が入っています。どのお話にも共通しているのは、自分の思ったことを思った通りに行動しているメリーメリーの姿。まだ幼い子どもらしさもいっぱいでちょっとした事件を巻き起こしながらも、持ち前の明るさと、それを見守るお母さんや周りの大人たちのまなざしの温かさがメリーメリーの日常を幸せいっぱいに彩っています。
作者は、『思い出のマーニー』のジョーン・G・ロビンソン。さし絵もロビンソンさんご本人の手によるもので、お話にぴったり合ったメリーメリーの姿や表情にはたびたび笑わせられてしまいます。きょうだいっていいなあ、メリーメリーがそばにいたら楽しそうだなあ、とうらやましくなってしまうほど幸福感にあふれた1冊です。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
続きを読む
メリーメリーは、元気な女の子。5人きょうだいのすえっこで、お兄ちゃんやお姉ちゃんにばかにされても、なんのその。自分の思ったことを、やりたいように自由にやってのけます。するとどうでしょう。メリーメリーのまわりに、たくさんの小さな幸せがやってきます! そんなメリーメリーが大活躍する、5つのゆかいなお話です。
「メリーメリーの“びっくりプレゼント”」メリーメリーのうっかりが、母の日の一番すてきなプレゼントになるお話。
「メリーメリー、お金をかせぐ」お兄ちゃんお姉ちゃんより小さいおかげで、お金がかせげて、アイスクリーム・サンデーをたべるお話。
「メリーメリー、写真をうつしてもらう」“にっこり”が苦手だったのに、兄姉の誰よりもとびきりいい顔の記念写真がとれたお話。
「メリーメリーのハンドバッグ」ふるびたハンドバックをゴミ箱にいれておくだけで、バスケットとガムとおさいふを手に入れたお話。
「メリーメリーとゆきおとこ」積もった雪におおきな足跡をつけて、ゆきおとこをつくって、みんなをあっと言わせたお話。
続きを読む