「ねこ ねこ どこへ いってた? あっち きょろきょろ こっち きょろきょろ ぶらぶらしてた……」。りす、さかな、ことり、うま、ひきがえる、かえる、もぐら……と動物たちが次々に登場し、自分たちの喜びに満ちた生活ぶりを軽やかな詩のリズムにのって伝えます。
リズム感あふれる言葉の世界を通して、動物たちの姿が生き生きと描かれた詩の絵本。りすはアイススケートで踊り、魚は水の中を泳ぎ、小鳥は空高く飛び、馬はクローバーの原っぱでうっとりする……。何気ないけれど幸せいっぱいの日々のひとときが、ときには擬人化を伴い、版画の黒と効果的に着色された柔らかい赤のみで描かれます。質問を投げかけ、それに答える形で語られる対話形式は、作品とのふれあいをさらに深めるきっかけになるでしょう。 小判サイズ(17センチ×15.5センチ)は子供の手の大きさに合い、ささやかな動物たちのつぶやきを演出する隠し味になっているかもしれません。子供の心を知り尽くした作者コンビならではの、凛とした輝きを放つ秀作です。最後のからすの一言は、機知に富んでいますよ。 ――(ブラウンあすか)
娘が3歳の頃、初めて買った「詩」的な絵本です。そのころ、簡単な物語を読み始めていたので、独特の語り口調がとても新鮮だったようです。
黒と赤だけで描かれた素朴な挿絵が、独特の世界観を作り上げています。
「どこへ いってた?」の繰り返しで、たくさんの動物が登場するところも、娘のお気に入りでした。 (JOYさん 30代・ママ 女の子8歳、女の子6歳、男の子3歳)
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