リズム感あふれる言葉の世界を通して、動物たちの姿が生き生きと描かれた詩の絵本。りすはアイススケートで踊り、魚は水の中を泳ぎ、小鳥は空高く飛び、馬はクローバーの原っぱでうっとりする……。何気ないけれど幸せいっぱいの日々のひとときが、ときには擬人化を伴い、版画の黒と効果的に着色された柔らかい赤のみで描かれます。質問を投げかけ、それに答える形で語られる対話形式は、作品とのふれあいをさらに深めるきっかけになるでしょう。
小判サイズ(17センチ×15.5センチ)は子供の手の大きさに合い、ささやかな動物たちのつぶやきを演出する隠し味になっているかもしれません。子供の心を知り尽くした作者コンビならではの、凛とした輝きを放つ秀作です。最後のからすの一言は、機知に富んでいますよ。
――(ブラウンあすか)
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