いつも、2わのあひるにいじめられている、胴長の犬(ダックスフンドかな?)のダックが書いた作文のような絵本です。
あひるたちのいじめはひどいです。ダックのごはんをすっかり食べてしまったり、ダックの耳をくちばしでひっぱったり、悪口を言いながら追いかけたり・・・それなのに、のらねこがあひるを食べようとねらっているのを見過ごさず、ダックはねこを追っ払ってやるのです。あひるたちは、それで改心したかと言えば違って、ねこが来た時だけ利用して、いじめを止めようとしません。
ある日ダックは決心して、あひるたちを公園に追い払いますが・・・。
人間界の縮図を見ているようで、せつなくなります。いじめっこのことを最後まで思いやるダックこそ、本当は強い犬なのかもしれません。
「いじめられる側にも問題がある。」とか、よく耳にしますが、それは、決して言ってはいけないことだと私は思います。どんな時でも、相手が誰であっても、いじめは許されないことを、親は子供に伝えるべきだと思います。
絵本にはあまり使われない、シックな茶色をベ−スにした絵が素敵で、古い(1966年初版)のに、古さをまったく感じさせない(どちらかと言えば斬新とさえ思える)、不思議な魅力のある絵本です。 (ぼのさん 30代・ママ 男の子9歳、女の子7歳、女の子2歳)
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